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モモ

わたしは臆病者である。そのうえ、根暗である。 旅先でひとりになったとき、そそくさと向かうのは図書館だ。 GWの福岡県太宰府市でも、スマホに「近くの、図書館」とささやいた。ごった返す太宰府天満宮の参道にて突如出現する自撮り棒や、わたしの足を石畳の段差と勘違いして通過するスーツケース、池で人々の熱い眼差しを向けられているカメの親子などを意識

風呂そうじ口上

——長い柄のついているものがよろしい。柄が短いのはだめです。 短ければ、自分がびちょびちょになるだけ。 柄の先端に、100円ショップで売っているスポンジを付けます。 これはですね、もとはスポンジが付いていたのですけどね、くっ付かなくなってしまったので、 こうやって輪ゴムでくくり付けて使います。 洗剤は使いません。浴槽の湯を残してまた風呂の湯と

大阪の下町をぬくめる、金殿ドーム

――東大阪『金殿ドーム』が、2018年3月いっぱいで暖簾をおろすという話が耳に入ってきました。 2016年10月に取材に行き執筆したものの、とある事情でお蔵入りしてしまった記事を、 取材相手の森山勝心さんに許可をいただき、 ここに掲載することにします――。 *** 「ゆ」の暖簾をくぐるとそこは…… 「こんばんは」 おそるおそる声をかけて浴場に入ると、先客

ともしび

目を覚ますと、闇だった。 ひどく寒い。 ……! はっとして、囲炉裏に目を向けた。 「……まだ火がある!」 闇のなかに手をのばし、薪を探した。 が、近くにはないようだ。寒い身体をふるいたたせて土間まで行く。 懐中電灯やスマホのライトは使わなかったので、防火用のアルミのバケツを派手に蹴とばした。しまった、家族が起きてしまう! ……幸い、誰も起きて

考え方を考える

昨年のいつごろからだったか、『まち暮らし不動産』という、およそ不動産屋さんらしくない不動産屋の、週に一度の“作戦会ギ”に参加している。 「まちに暮らす」とか「共に住まう」ということを、真剣に考えている人たちで……なんて説明をしようとすればするほど、この人たちは遠ざかってしまうような気がする。 ただ、はっきりしているのは、この人たちとの